大阪高等裁判所 昭和27年(う)890号 判決
昭和二十七年四月十一日法律第八一号ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に干する件の廃止に干する法律は、第一項においてポツダム緊急勅令を廃する旨を規定すると共に、第二項においてポツダム命令は別に法律で廃止又は存続に干する措置がなされない場合には、この法律施行の日すなわち平和条約の最初の効力発生の日から百八十日を限り、法律としての効力を有するものとすると規定していることは所論の通りである。しかし、所論のように委任命令の制定にはその基礎たる授権法令の存在を必要とするけれども、命令の効力存続の要件ではないから、基礎法が失効しても委任命令は当然にその効力を喪失するものではない。そして法律は法律案として国会に提出せられ、それが両議院において可決せられて成立するのであるが、すでに公布せられている命令に法律としての効力を与えるという法律を制定することは実質には右の命令の各条文をそのまま、その内容とする法律を制定することに外ならないのであるから、別に違憲ではないし、平和条約発効後であつて右百八十日の期間経過前である昭和二十七年五月八日に、前記規定にいわゆる廃止又は存続に干する措置をとるための法律の一つとして同日法律第一三七号が制定公布され、同法は第二条第六号によつて占領目的阻害行為処罰令(昭和二十五年政令第三二五号)を廃止し、第三条第一項によつて廃止前の行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によると規定しているのであるから同条項は事後立法禁止の原則に反するものでもない。論旨は理由がない。